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■講演会のお知らせ
  [演題]
茶人・名物情報の集積と編集
―「山上宗二記」、宮帯本「松屋名物集」をめぐって―
   茶道史において「山上宗二記」の名は高い。ただし、その名物情報は永禄初期の理解に基づき、また名物を見る観点も、天文年間の京都での理解に発するものが多い。つまり「山上宗二記」はさまざまな情報を集積し、伝書として編集したものである。
 同様の例は、かつて脇本十九郎によって紹介された「名物集・土門本」である。永島福太郎により「松屋名物集」として古典全集に収載され、その後の研究で、「清玩名物記」などその元本の多くが明らかになった。
 ただし、脇本本は近代の転写本の翻刻であり、異常に錯雑としている。これに対して、新出の宮帯本は整然とした構成であり、情報量が多いのみならず、新しく確認された情報も数多い。
 今回の講演では、重要な名物記の流れを確認するとともに、宮帯本がどのような情報から構成されているか、その意味は何かについて考察する。
  講師:矢野 環(やの たまき)先生 プロフィール
同志社大学文化情報学部教授。茶道研究家。専門は茶道・華道・香道史、伝統文化論、数理文献学、応用多変量解析。京都市生まれ。1999年三徳庵茶道文化学術賞受賞。主な著書に『君台観左右帳記の総合研究』(勉誠出版)、『名物茶入の物語 伝来がわかる、歴史がみえる』(淡交社)、『秀吉の智略「北野大茶湯」大検証』(共著・淡交社)ほか多数。

日時:平成31年4月27日(土) 10:15~11:45
会場:ウィングス京都
 
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