MIYAOBI Publication Award

宮帯出版大賞

第4回宮帯出版大賞 結果


第4回宮帯出版大賞は2014年11月30日までにご応募いただいた、商用目的でウェブ上の掲載や出版化されたことがない未発表の作品を対象に選考を行いました。
 

■大賞(1作品 副賞30万円+出版化)
    該当作品なし

宮帯出版大賞表彰状

■部門賞(各1作品 副賞5万円+出版検討)
    個人史部門
    該当作品なし

    文芸部門
    該当作品なし

■入選(若干名 記念品)
    「青山三郎」荒幡光廣(東京都)
    「物語をいただきます-おいしい文学めぐり-」岡本稚歩美(東京都)
    「波津子哀歌」有戸英明(東京都)
    「楽器が語るキリシタン音楽」高橋実(東京都)
    「青年将校-安藤輝三の二・二六事件」岩井秀一郎(埼玉県)

 

【選評】
 第4回宮帯出版大賞は、昨年より応募数は微増。初応募者が少なく新味に欠ける部分もあり、残念ながら大賞、部門賞ともに該当者なしという結果となりました。その中からいくつかの入選作品を発表させていただきます。
 まず、部門賞まであと一息と評価をさせていただいたのが二度目の入賞となる荒幡光廣氏の「青山三郎」です。メタ文学としてのチャレンジとエンタメ性を融合させようとした意欲作で前作の影の差す作風から一転し新たな可能性を提示されたように感じます。読み手を選ぶ、実験段階という声もあり入選までとさせていただきましたが、今後に期待を持てる書き手と言えましょう。昨年に引き続き入賞された岡本稚歩美氏の「物語をいただきます-おいしい文学めぐり-」は着想の豊かさと連作エッセイの良さが活かされており、昨年とは違ったジャンルではありますが、書き手の物語に対する愛情が伝わってくる作品であります。入選ではありますが前回より評価を上げたことをお伝えしたいと思います。
 部門賞受賞歴のある有戸英明氏の「波津子哀歌」はさすがの出来映えでしたが小説という形式で突き抜けるにはあと一息というところでした。二・二六にまつわる連作とも呼べる作品を高いクオリティで書き続ける岩井秀一郎氏と歴史部門の実力者高橋実氏に関しては今までの受賞作品と比しての判断となり、多少落ち着いた評価となりましたが、次回部門賞以上を狙っていただけるものと期待します。
 これらの作品の中からしっかりと推敲・編集をすることにより、当社新刊書籍としてお勧めできるものが出てくるかもしれません。
 ご応募いただきました著者の方々に御礼差し上げるとともに、次回の盛況を信じて選評とさせていただきます。


第3回宮帯出版大賞 結果


第2回宮帯出版大賞は2013年11月30日までにご応募いただいた、商用目的でウェブ上の掲載や出版化されたことがない未発表の作品を対象に選考を行いました。
 

■大賞(1作品 副賞30万円+出版化)
    該当作品なし

宮帯出版大賞表彰状

■部門賞(各1作品 副賞5万円+出版検討)
  個人史部門
    該当作品なし

  文芸部門
     該当作品なし

■入選(若干名 記念品)
    「神の茶道と仏の茶道」高橋実(東京都)
    「それら小さきものたちよ」榎並掬水(広島県)
    「晩に咲く花」小西秀昭(東京都)
    「利休の教え」鈴木裕(東京都)
     「ケラコさんは魔女かしら?」岡本稚歩美(東京都)

 

【選評】
 第3回宮帯出版大賞は、昨年に比して全体的に作品の完成度が低く、特筆すべき作品に出会うことが出来ず、残念ながら大賞、部門賞ともに該当者なしという結果となりました。その中からいくつかの入選作品を発表させていただきます。

 まず、個人史部門賞まであと一息と評価をさせていただいたのが昨年に引き続き入賞された高梁実氏の「神の茶道と仏の茶道」です。今までにない視点で資料にあたり、独自の解釈を積み上げていく手法はとても刺激的で、読み物としての面白さは前作を越えるものとなっております。ただ所々「結論ありき」の急ぎ足が散見されるなど、もうあと一息のブラッシュアップが必要でしょう。しかし「利休キリシタン説」を新たな切り口で展開した作品として最後まで部門賞を検討させていただいたことを申し添えます。「それら小さきものたちよ」の榎木掬水氏にはまさに熟練の味わいを見せていただきました。文章の簡潔さ言葉の選択以上に必要なものが対象に対する「視点と愛」であることを実感させてくれる作品群でありました。

 小西秀昭氏は昨年、一昨年に引き続きの入選とさせていただきましたが、今回の「夜に咲く花」を入選とするか正直議論がございました。「相手の懐に飛び込めないもどかしさ」や「今ある自分を十全に生きる」といったテーマを描くにはもう一つ成熟した視点と筆力が要求されます。しかし着想のよさは健在で、今後の期待もこめて入選とさせていただきました。「利休の教え」は特に目新しい解釈はありませんが、その構成力を評価させていただきました。「ケラコさんは魔女かしら?」は童話作品として初の入選となりました。とても暖かな作風で好感を持ちましたが連作ものとしての精度を上げるには更なる推敲が必要でしょう。

 これらの作品の中からしっかりと推敲・編集をすることにより、当社新刊書籍としてお勧めできるものが出てくるかもしれません。

   ご応募いただきました著者の方々に御礼申し上げるとともに、次回の盛況を信じて選評とさせていただきます。


第2回宮帯出版大賞 結果


第2回宮帯出版大賞は2012年11月30日までにご応募いただいた、商用目的でウェブ上の掲載や出版化されたことがない未発表の作品を対象に選考を行いました。
 

■大賞(1作品 副賞30万円+出版化)
    該当作品なし

■部門賞(各1作品 副賞5万円+出版検討)
  個人史部門
   「黒田清輝とその時代 ―近代日本洋画の形成―」有戸英明(東京都)

  文芸部門
     該当作品なし

■入選(若干名 記念品)
    「追跡は晴れた日に」小西秀昭(東京都)
    「戦国・近世大名の茶の湯」矢部誠一郎(東京都)
    「珠光茶碗、十四の幻翳」渡部宗晋(東京都)
    「内膳屏風の謎 私の内膳屏風案内」高橋実(東京都)

 

【選評】
 第二回宮帯出版大賞は、第一回である昨年に比して応募数が少なく、審査前はその質も懸念されましたが、少数精鋭ともいうべく質の高い作品が集まりました。残念ながら昨年に引き続き大賞作品の該当はありませんでしたが、いくつかの入選作品を発表させていただけることとなりました。

 まず、個人史部門賞には昨年も入選を果たされました有戸英明氏の「黒田清輝とその時代 -近代日本洋画の形成―」を選定させていただきました。真摯に資料と向き合い、新たな切り口を提示しつつも、描き出す「人」そのものに対する愛と好奇心が横溢し、読み手にある感慨を与えるその手法は安定しております。昨年からワンランクアップした部門賞を贈るに相応しい作品に仕上がっております。

  小西秀昭氏は「追跡は晴れた日に」で昨年に引き続きの入選とさせていただきました。28歳という年齢ながら、さまざまな作品に触れどんどんよいところを吸収し、ご自身のスタイルを築き上げているところだと思われます。人物造形や描写の力もついてきており、これからが楽しみな書き手といえます。もうそろそろご自身のスタイルを確立し、迷いのない作品を手がけていただきたいという期待もこめて入選とさせていただきました。「戦国大名・近世大名の茶の湯」は専門家としての叡智を結晶させた労作で一般の読者への訴求力も持っております。「珠光茶碗、十四の幻翳」は大作であるとともに非常な労作で、フィクションとしての力、魅力にも溢れておりますが、物語の時間的射程が長すぎることと、文体の要素が多くそのゆれが若干気になる部分もあり入選までとさせていただきました。「内膳屏風 私の内膳屏風案内」は斬新でユニークな切り口と親しみやすい文体、熱心な研究姿勢と突破力は魅力ですが、読み物としての洗練はこれから、というところで最後のひと枠に入選とさせていただきました。

 そのほか、歴史研究や小説などの分野で労作もあり、入選を推す声がございましたが今回は今一歩のところで見送りとなったこともご報告いたします。これらの作品の中からしっかりと推敲・編集をすることにより、当社新刊書籍としてお勧めできるものが出てくるかもしれません。

  ご応募いただきました著者の方々に御礼差し上げるとともに、第三回のさらなる盛況を信じて選評とさせていただきます。


第1回宮帯出版大賞 結果


第1回宮帯出版大賞は2011年11月30日までにご応募いただいた、商用目的でウェブ上の掲載や出版化されたことがない未発表の140篇の作品を対象に選考を行いました。
 

■大賞(1作品 副賞30万円+出版化)
    該当作品なし

■部門賞(各1作品 副賞5万円+出版検討)
  個人史部門
    「蒼穹の孤影」高原悠二(秋田県)

  文芸部門
     該当作品なし

■特別賞 (出版検討)
    「或る良識的軍人の死―史論・渡辺錠太郎と昭和の陸軍」岩井秀一郎(埼玉県)

■入選(各5作品程度 記念品)
    「はぐれ、はぐれて、葉暮町」小西秀昭(東京都)
    「箱の中」荒幡光廣(東京都)
    「喜劇の王様 ―エノケンとその時代―」有戸英明(東京都)
    「パステル・マシュマロの世界」「モンシロチョウは宇宙の使い」
    「君にシロツメクサの冠を」丸岡永乃(神奈川県)

 

□総応募作品140篇
  ●個人史部門20篇
    自分史6篇
    歴史研究5編
    人物伝5篇
    旅行記4篇
  ●文芸部門120篇
    小説53篇
    詩32篇
    エッセイ21篇
    短歌・俳句6篇
    童話6篇
    評論2篇

 

【選考経過】
 最終選考には次の11作品が残りました。その中で高原悠二氏の「蒼穹の孤影」と岩井秀一郎氏の「或る良識的軍人の死―史論・渡辺錠太郎と昭和の陸軍」が最後まで受賞作候補として検討されました。特に高原悠二氏の作品は完成度が高く、地味なテーマながらぐいぐいと読者を引き込む素人離れした筆力があり、実力的にはもっと上の賞を差し上げてもよいくらいです。しかし、単行本として刊行するまでには至らないのではないかという意見もあり、残念ながら今回は大賞の受賞作はなしと決定しました。

 岩井秀一郎氏は25歳という年齢ながらしっかりしたノンフィクションを書ける素地があり、二・二六事件の犠牲者の中でも地味な渡辺錠太郎を掘り下げたあたりにも、玄人好みの手練れを感じます。しかし、あくまでも玄人好みの域を出ず、大賞受賞には至りませんでしたが、今回別枠として特別賞を設けることになりました。

  また、エノケンを取り上げた有戸英明氏の作品はまさしく労作で、アマチュア研究家としてのレベルは高いと思います。ただエノケンとその時代に関しては類書が数多出ており、それらとの比較からするとやや魅力と新情報に不満が残りました。

 文芸部門では、荒幡光廣氏は執筆に専念されればかなりの作品が書ける方として、今後のご活躍が期待できます。淡々とした文体ながらもしっかり読ませる力があります。ただ今回の作品はトラックドライバーに転落していった男を追う、暗く重たい作品で評価が分かれました。

  小西英明氏は、構成や文体もしっかりしていますが、どこかで読んだような感覚が否めず、オリジナリティという点でさらに努力が求められます。

丸岡永乃氏の作品につきましては詩の評価は分かれました。ただイラストレーターとして活躍されており、この作品群も非常に完成度が高く、入選候補としました。

  入選には至らなかった岩沢潤一郎氏の作品は人生のすべてが凝縮される"死の瞬間"をテーマとした15篇のオムニバスで、着想には高い評価が集まりました。ただ、表現力に今一歩の努力が望まれます。鈴木麻里子氏の作品は荒削りながらも軽快な面白さを感じさせます。柚原早紀氏は現代の若い女性の視点から題材を取り上げていて、今後の活躍が楽しみです。増子勝氏の震災をテーマにした歌には、文字の持つ力を改めて感じさせられました。

 以上、多数のご応募をいただきましたことを選考担当者一同厚くお礼申し上げます。

個人史部門[応募作品20篇]
  「喜劇の王様 ―エノケンとその時代―」有戸英明(東京都)
  「或る良識的軍人の死―史論・渡辺錠太郎と昭和の陸軍」岩井秀一郎(埼玉県)
  「蒼穹の孤影」高原悠二(秋田県)
  山田清一郎(埼玉県)

文芸部門[応募作品120篇]
  「箱の中」荒幡光廣(東京都)
  「レクイエム」岩沢潤一郎(宮城県)
  「はぐれ、はぐれて、葉暮町」小西秀昭(東京都)
  「ひょっこり東南アジア~女一人旅、出会いと別れの爆笑珍道中記~」鈴木麻里子(福井県)
  「通信のヒミツは厳守やで」柚原早紀(京都府)
  「被災地こころの短歌」増子 勝(福島県)
  「パステル・マシュマロの世界」「モンシロチョウは宇宙の使い」
  「君にシロツメクサの冠を」丸岡永乃(神奈川県)